幼稚園の毎日
2026/03/17
卒園式
今日は、卒園式でした。
こんな晴れた日に、全員揃って、本当におめでたい旅立ちになりましたね。
卒園、おめでとうございます!
卒園記念品のミニヒマワリの種…今年は業者のミスで数が足りず、後日のお渡しになってしまい、申し訳ありません。
卒園文集、写真と共にお渡ししますね。
こちらは、園長が選んだものです。
実は、「あさひこ」は主に幼児が使う古い言葉で「朝日、太陽」という意味なんです。
そして、ひまわりは「いつも太陽に向かって育つ」。
「こどもたちが光り輝くほうに向かって育ってほしい」という思い。
「私たちはいつもあなたを見守り照らしているよ」という思い。
花言葉は「あなたはすばらしい」です。
そんな思いで選びました。
よかったら、育ててみてくださいね。

保護者の方が描いてくださいました。





あさひこ帯!

ずっと、楽しく、自由に、生きていってね!
以下、園長による祝辞の原文です。
(本番で話したこととは少し違います)
おほしさまぐみ 75名の皆さん 卒園おめでとうございます。
今まで、みんなは幼稚園でいろんな楽しいことをしたよね。
ままごとやドッヂボール、工作に、園外保育。最近なら、大縄跳びや、コマ回し。
楽しいことを見つけて、いっぱい遊んだね。勝てなくて、一番になれなくて、悔しくて泣いたこともあったけど、本気でがんばる姿は最高にかっこよかったよ。本気だったから。
バトンタッチリレーや秋祭り、発表会の劇も、悔しかったことも、大変だったこともあった。
けど、みんなで頑張って、本気の力を出せたね。そんなことも楽しかったね。
これから小学校に行って、新しい友達と出会ったり、新しいことに挑戦したりするうちに、幼稚園で何をしたのかは忘れてしまうかもしれないけれど、ひとつだけ、ここにいる全員に、忘れてほしくないことがあります。
それは、「楽しいことをすることが、一番大事」だということです。
なぜかというと、みんなは、楽しむために生まれてきたからです。
つまらないと思うことをしたり、なにかで苦しむために生まれてきた人は、一人もいません。
「楽しい」ってことは、最高です。
先生は、「楽しい」のパワーを信じています。
楽しいことをするとき、心がワクワク躍ります。
楽しいことのためなら、なんだって、がんばれます。
大変な事でも、大好きなことのためなら、そのあとに楽しいことが待っているなら、がんばれる。そして、がんばる自分を、大好きになれる。
もう、みんなは、わかっているよね。
自分が毎日していることは、「楽しい」につながってるんだ、ってことを。
友達と仲良くするのは、なんで?
そのほうが、たのしいから。
喧嘩してるより、仲良くしたほうが、楽しい。
勉強するのは、なんで?
そのほうが、たのしいから。
知らないことが、わかるようになるって、うれしいよね。
全部、「自分が楽しくなるためにすること」だよね。
でも、残念なことに、この世界では、ちっとも楽しくない、悲しいことが、起こることがあります。
たとえば今、この世界で、国と国、大人と大人で、戦争をして、爆弾を落として、傷つけあっている人がいます。
先生は、思います。その大人たちは、楽しいんだろうかと。
みんな、幼稚園でけんかしたときって、あったよね。
物を取り合ったり、怒れることがあったりして、けんかになった。
そのとき、どうだったかな。
誰かとけんかするのは、楽しかった?
誰かに叩かれたとき、楽しかった?
誰かを蹴ったとき、楽しかった?
やられたから、やり返した。そのとき、楽しかった?
楽しくなかったよね。
悲しい気持ちになったり、そんなことしなきゃよかったって思ったりしたよね。
こどもも大人も同じはずです。そんなこと、楽しいはずがない。
しないほうが絶対にいい。絶対、しちゃいけない。
そんな悲しいことをしないために大事なのは、やっぱり、「楽しい」のパワーだと、先生は思います。
けんかするより、仲良くした方が楽しい、ってこと、みんなは、忘れないでいてください。
いやなことがあっても、叩いたり蹴ったりするより、ちゃんと話し合ったほうが仲良くなれて、楽しいってこと、みんなは忘れないでいてください。大人になっても、ずっと。
ここにいる、わたしたち大人も、忘れないようにします。
楽しい、ってことを大事にすることを。だから、誰かを傷つけたりはしないんだってことを。けんかしたがる人の仲間にはならないんだってことを。
きっと、忘れないと思います。
だって、いつだって楽しいことをして、キラキラしてる、きみたちを見ているから。
みんなが楽しそうに遊ぶ姿を見て、笑う声を聞いて、ちゃんとお話しして仲直りできる姿を見ていると、ああ、そうだそうだ、こうやって、楽しくしなくっちゃ!って、思い出すことができると思います。
みんなのおかげだよ。ありがとうね。
さて、みんなは、これから新しい場所に旅立っていきます。
園長先生は、ここにずっといます。
だから、園長先生は、みんながいつあさひこ幼稚園に遊びに来ても
「ああ、ここは楽しい場所だ!」と思えるように、いつまでも、楽しい幼稚園をずっと続けていくつもりです。
楽しい気持ちになりたくなったら、いつでもおいで。
もうちょっと大きくなってからでもいいし、みんなが幼稚園の先生になってもいいし、もし、みんなが大きくなって、お父さんやお母さんになったら、きみのこどもといっしょに、またあさひこ幼稚園においで。そうしたら、また、いっしょに楽しいことができるね!
園長先生は、待ってるよ。楽しみにして、待ってる。おじいさんになって、待ってるよ。
いつまでも、幼稚園と一緒に、ここで、待ってる。約束します。
この約束を持ちまして、園長先生よりの、お祝いの言葉とさせていただきます。
卒園、おめでとう。さようなら、またね。

【式後の保護者への挨拶・原文】
保護者の皆様、卒園おめでとうございます。最近、送迎のたびに、卒園を寂しい寂しいと言うおうちの方を見ます。今日は、そんな方の涙も見ます。我が子だけでなく、おうちの方自身にそう思っていただけて、嬉しく思っています。
でも、別れがさみしいのは、私たちが大人だからです
こどもは別れの寂しさを知りません。前に進む存在です。
こどもたちはいつか幼稚園のことを忘れます。こどもたちは、今に生きています。今に生きてこそ、こどもたちなのです。
いつまでも、幼稚園は良かった、なんて思うより、これからもずっと、今が一番楽しい!と思って生きていってほしい。心からそう思っていますし、そう思える心をこそ、育んできたつもりです。
だから、僕たちのことは忘れてもらって構いません。
僕の好きな歌で、「情熱の薔薇」という歌があるのですが、その一節を引用します。
永遠なのか、本当か、時の流れは続くのか。
いつまでたっても変わらない、そんなものあるだろうか。
僕は、すでに終わったと思われていることの中に、永遠があると思っています。
幼稚園のこと、記憶としては忘れてもいいんです。
忘れることは、なくなってしまうことではありません。
むしろ、いつまでもずっと「ある」のです。
どんな人も、どんな「私」も、「あなた」も、すでに忘れてしまった、ありとあらゆる経験、感じたこと、それらの入力によって、「私」になったのです。
だから安心してください。この幼稚園で過ごした日々、あらゆる経験と、感情、思考、表現、行動、それらは、たしかに、あったのです。
だから、こどもたちは、大きくなりました。
僕には、その時間が、そこだけ時が止まったかのように、永遠として、心の中にあるように感じます。たとえ、忘れてもです。
あった、ということは、永遠です。この心の中に、永遠として。
答えはきっと奥の方、心のずっと奥の方です。
だからこれは、お別れではありません。これからも続きます。そして、保護者の皆さん、先生の私たちが、経験し、誰かから受け取り、紡いできた「確かにあったこと」が、こどもたちに受け継がれたように、こどもたちは、また、それを次に紡いでいきます。だから、それは、時の流れが続く限り、変わらないもの、不変、不死であり、それもまた、永遠だと感じます。
長くなりました。最後に。
私は、私たちは、がんばってきました。胸を張って言えます。
先生と呼ばれる私たちみんな、仕事だからとか、給料のためとか、それだけではなく、そんなものを超えて、がんばってきました。胸を張って堂々と言えます。これは、情熱です。真っ赤な薔薇のような情熱で、愛です。
私たちは、「記憶に残る思い出のために」なんて、そんな安っぽい思いでがんばったわけではありません。
思い出なんかにならない、これから記憶としては忘れていく、でもそんな毎日をこそ、あの子たちを育むものと、日々を積み重ねてきたのです。
もちろん、私たち先生だけではありません。みなさん、親も同じでしょう。
忘れてしまうような毎日を、できるだけこの子のためにと、積み重ねてきた。
それこそが私たちの、愛であり、矜持、誇りです。
私たちは、そんな思いを、みなさんと共有してきた、と思っています。だから、一緒にここまで過ごすことができて、楽しかったし、嬉しく思います。
遠くから通っていただいた方、ありがとうございました。
お仕事しながらも通っていただいた方、ありがとうございました。
悩みながら転園し、通っていただいた方、ありがとうございました。
共に過ごしたすべての皆様、ありがとうございました
「忘れる」という機能があるから、「思い出す」ということもできうるのです。
ふと、思い出したとき、また、いつでも遊びに来てください。
ここは、こどもにとってだけではなく、あなたの、あさひこ幼稚園です。
本日は、まことにおめでとうございました。

☆おまけ☆
ちなみに「情熱の薔薇」作詞の甲本ヒロトさんは今日が誕生日です。
僕は、言葉の力を信じています。
他の動物と同じく、人間だって、言葉になる以前の「心が感じていること」は、ひとりひとり、違っていて、
でもそれを、人間だけが、「なんとか、この心を、他者と共有したい、共感したい、わかってほしい、知りたい」と、「言葉」を生み出した。
言葉という「みんな共通のツール」を使うことで、心の翻訳を試みた。
だから僕は、相手がこどもでも、大人でも、話すとき、書くとき、言葉の力でこの心を伝えたいと思い、真摯に言葉にすることを心がけています。
教育は、言葉を用いるものです。
半面、「泣く」なんていうのは、僕個人の誰にもわからない心そのものを感情として表出させているにすぎません。
だから、泣くなんていうのは、教育のプロとして、褒められたことではありません。
でも、ときおり、それでも、「涙はそこからやってくる 心のずっと奥の方」。
情熱の真っ赤な薔薇を胸に咲かせるために、花瓶に水をあげる。
その水は、心のずっと奥の方からやってくる涙なのかなぁと、今、ふと思いました。
今日だけは、許してください。
それにしても、これが最後の日なんて、毎年、卒園式をやっていても、いつも実感がわきません。
じゃあ、またね!

