幼稚園の毎日
2024/12/10
薪ストーブの話
毎日、送迎門で焚き火をして、こどもたちを迎える時期になりました。
連日、焚き火の周りにはこどもたちが集まり、自分たちでも薪を入れる姿があります。
最近は、IH化が進んだことで、火をほとんど見たことがない、という子も増えています。
そんな中でも、火は人間の文明の第一歩、きちんと触れ、知っていくことが環境教育のひとつであると、あさひこ幼稚園では考えています。
そして園では、昨日、年長さんの薪ストーブの点火式を行いました。
僕が、クラスごとにいろいろな話をしていきます。
どんな話かというと…
最初に、「なんで年長さんだけ薪ストーブなのか?」という話をします。
みんなのおうちの暖房はなぁに?という話から、その暖房のエネルギーはなにか?灯油、ガス、電気…
それらはほとんどすべて「石油」から作られているという話。
石油はガソリンにもなる、身近で便利、その石油は外国から運んでいて、地面の下にあるけど、「使いすぎるとなくなってしまうかもしれない」という話。
その石油は、人間の力では作れないという話。
石油は、昔は生き物だったかもしれないという話。
(もちろん本当のことはわかりませんが、生物由来説に基づいて話をしています)
そして、人間は、今使いすぎているという話。
だから世界中の大人たちがどうしたらいいか考えてるけど、みんなにもできる簡単なことがあるよ、
それは、電気も含めたエネルギーを節約すること、無駄遣いしないことだよ、という話。
そして、だから薪ストーブなんだよ。
薪ストーブは石油を使わない、そのかわり、扱いが難しいところもある。
でも、年長さんのみんななら、この薪ストーブを使うことができるよね?
みんなの幼稚園は、村積山があるから、山から木の力をもらうことができるよね。
そんな話です。
かなり難しい内容も含んでいますが、みんなすごくしっかりと集中して聞いてくれました。
次に、ストーブの使い方。
「火は、なんで燃える?」という話。
「薪ストーブを使うために必要な4つのもの」
1、燃えるもの(新聞紙や木)
2、温度(これは難しいので軽めに話しました)
3、空気(薪ストーブもみんなも同じ、空気を吸って吐く。吸気口で吸って煙突から吐く)
そして、
4、祈り
です。「村積山からもらった力だよ」ということに、「ありがとう」の気持ちを持つこと。
大人も含めて、この「4つめ」が、足りないと、エネルギー問題は解決しない。
そう思っています。
(このあと、実際に点火するときに、いつものお祈りの歌を歌って、火をつけました)
また、火はどう燃えるか?という話。
小さい火、新聞紙から細い薪、太い薪へと徐々に燃えていくこと、下から上に燃えること。
薪はどう組んだらいいか?
空気が下から上にいけるように組むこと。
そして、これから薪を作っていくぞ、という話。
自分たちで小枝を拾ったり、中くらいの薪はノコギリで自分たちで切るよ、という話。
(また、太い薪は、お父さんたちがきこりクラブでみんなのために作ってくれたよ!という話も)
みんな、やる気のようでした!
また、薪ストーブだからできる特別なこと、天板を使った料理などのお楽しみのお話もしました。
そして、火をつけました。
30-40分くらい、長く、難しい話でしたが、しっかりと聞く姿を見て、年長さん、大きくなったなぁ…!と、強く感じました。
真剣な目で、集中して話を聞いてくれました。
幼稚園で薪ストーブやかまどを使うのは、表面的な格好の良さとか、なんとなくやっているわけではなく、「エネルギー(火)」について、子どもが体験的に学んでいくための環境教育活動です。
火をつけたあとは、煙突から出る煙を見に行きました。
出てる出てるー!
さっそく、昨日の帰りに薪切りをやってみました。
ノコギリの使い方を伝え、押さえる人と交代しながら切っていきます。
なかなかしっかり切っていましたよ!
こちらは今朝。焚き火と同時進行で、ノコギリも。
年長さんだからできること。わかること。
これから、薪ストーブを使った活動、薪切りなどの活動で、たくさんやっていきたいと思います。
薪ストーブ、楽しみですね!
さあ、これから毎日、あったかく過ごすぞー!!